しかし年以上前、英国で見たレザー用のサドルソープが、彼のシューケアのスタンスを大きく変えるきっかけとなる。「革を洗う?」と半信半疑で実践してみたところ、革が見違えるように甦ったという。
「よく"革は通気性がいい"と言いますが、実は違うんです。正確には、革の表面に穴が開いているのではなく、繊維が湿気を吸い込んで吐き出すという"呼吸作用"をもっている。通気性以上の機能があるんです」
その革も、内面に汚れが蓄積すると呼吸作用が鈍ってくる。これを水拭きすることで、汚れを外に出し、健康な状態に戻すことができるのだ。
Step 1. ブラッシング
まずはブラッシングでほこりを落としていく。コバの隙間や、縫い目などにつまった汚れをかきだすように。時間がないときは、ブラッシングしておくだけでも差が出る。
Step 2. 水を用意
洗面器に水を用意し、水がしたたるくらいゆるめにタオルを絞る。ぬるま湯でもOKだが、熱いお湯だけは避けるように。せっかくの革を痛めることになってしまう。
Step 3. 外側を水拭き
全体を濡らすようにまんべんなく水拭きし、その後ポンポンと叩くように拭いていく。革に水を浸透させることによって古いクリームや泥を落としていく。
Step 4. 内側を水拭き
外側を拭き終わったら、忘れずに内側も水拭き。手では届きにくいつま先の部分は、小さめのタオルをブラシの柄などで押し込んで拭く。取れる汚れの量に驚くはず!
ムラは厳禁!
水拭きの際のポイントは、全体をまんべんなく拭くこと。拭き残しがあると、革に蓄積した汚れが押し流され、濡れたシミのフチの部分で輪染みになってしまう可能性が。
Step 5. 陰干し
全体的にきれいに拭けたら、風通しのいい場所で陰干しを。直射日光に当てると、革が変形して固まってしまったり、硬くなったりするので絶対に避けたい。
起毛革の手入れ
起毛革の汚れは摩擦で落とす!
ツルッとしたスムースレザーと異なり、表面を繊維で覆われたスエード、ベロア、ヌバックなどの起毛革は、繊維の隙間に汚れがたまりやすく、また落ちにくい。この頑固な汚れを取り除くには、摩擦を利用するのが一番だ。ナイロンブラシ、はりがねブラシ、スポンジなどの固めのもので、表面を強めにブラッシングしよう。ブラシを使う場合は、内から外に回転させると◎。
起毛革も水拭きOK!
スムースレザー以上に水がNGと思いがちな起毛革だが、実は水拭きもOK。ただし濡れて毛が寝た状態で乾くと硬くなるので、乾燥後にブラッシングを。